2022 年 10 月 28 日に Amazon Prime Video で公開された「仮面ライダーブラックサン」を徹夜で一気に視聴した。本来であればドラマ視聴感想など価値のない記事を書くべきではないと頭では理解している。しかし、このドラマはあまりにも後味が悪過ぎて、モヤモヤした気持ちを吐き出さないと自分の感情をコントロール出来そうにないので、ここにて存分に酷評させていただく。

「仮面ライダーブラックサン」が大好きで否定的な内容を見たくない人は今すぐにブラウザバックしてこの記事を見ないほうが賢明である。

また、本記事はただ私個人の感情発散が目的のため、ネタバレはガンガンするし、あらすじや人物紹介などするつもりは毛頭にない。

結論

いきなり結論から述べよう。

「仮面ライダーブラックサン」は脚本家と監督の頭の中の排泄物である!

視聴者はその排泄物を一口一口(一話一話)無理矢理食べさせられた感覚だ。

最初に弁解しておくが、私はこのドラマの役者やスタッフに対する評価は非常に高い。 このドラマは唯一糞なのは脚本のみである。 ベテラン役者の演技は文句のつけようがないし、音響は壮大で感情を昂らせるし、アクションは一挙手一投足に魂が籠っており、CG は安っぽさもない。 製作陣(監督と脚本家以外)は一人一人が良い仕事を全うし、賞賛に値する。

それゆえに優秀な役者に糞まみれな脚本を与え、駄作を生み出させた監督と脚本家の罪は万死に値する。

彼らに一言を物申すのであれば、

一流の料理人に貴方達の排泄物を調理させないで頂きたい。糞はどんな料理法を駆使しても糞にしかならない。

失敬、二言になったしまった。

キャラクターは操り人形

仮面ライダーブラックサンが一番に致命的なのは、キャラクターの心情や倫理に寄り添っておらず、決まった筋書きからズレないことのみ意識している。 それゆえに、本来キャラクターが持っている道徳や理念を無視して、支離滅裂な行動をとる。 話数が進むごとにキャラクターがどんどん人格崩壊している様子は見るに耐えない。

同じく Amazon Prime Video で公開された名作である「仮面ライダーアマゾンズ」の脚本を例に挙げると、人物の掘り下げをしっかり行なっており、背景が理解しているからこそ共感できる。人物像と筋書きに矛盾はなく、結末はなるべくしてなる。当然ストーリーは納得できる。

仮面ライダーアマゾンズのストーリーは「各々人物が優しい思いで最適な行動をとったことで、最悪な結末となった」と鬱気味の内容だけど、視聴者に生きることについてもう一度感がさせられる良作である。

一方の「仮面ライダーブラックサン」どうだ?

高尚なテーマ(平等主義、反権力、慈愛)を描こうとするあまり、ストーリー先行してキャラクターはただの操り人形に成り下がってしまった。 急に思考崩壊して突拍子のないことする。キャラクタたちはみんなサイコパスではないかと疑ってしまう。

以下にてサイコパス、理解不能の行動を一部抜粋させていただく。

  • 育ての親が殺されて、知り合って間もない主人公(他人であるオッサン)と談笑できる鋼メンタルの持ち主ヒロイン
  • 怪人には自分の意思が存在する設定にもかかわらず、怪人になった途端、自分の娘を襲う鬼畜父親
  • 怪人も人間である主張を国連で雄弁にスピーチしたのに、自分の父親が怪人になったことを終始拒絶するヒロイン
  • 怪人父親を無力化できるのに、あえて殺す選択肢をとる心優しい設定のクジラ怪人
  • そんなクジラ怪人を責めず、父親が殺されたのは仕方ないと割り切れるヒロイン
  • 両親を殺し、自分の怪人にした張本人のビルゲニアを許すヒロイン(親の仇だぞ…)。もう聖母マリア様も顔負けする慈悲深さ
  • 「暴力と殺戮では何も生まれない」とビルゲニアに訴えるヒロインだが、最終的テロリストになる
  • 怪人は社会的地位が最低の世界観で人間に何一つ不利益ないにもかかわらず、怪人を排除しようとするヘイトスピーチャーたち(貴方達は何を拒絶しているの?)
  • 秋月信彦のたった一回のプレゼンでそのカリスマ性に陶酔し、リスクを顧みず、目的も不明なまま、ゴルゴム本部(敵のアジト)襲撃に協力する怪人達
  • 愛する人が殺されても闇堕ちせず、赤の他人の怪人が殺されたことで逆上し、闇堕ちするタイミングが完全に間違っている秋月信彦(シャドームーン)
  • 創世王が怪人達にとって大切な存在にも関わらず、創世王の周りの警備がガバガバ。何回襲撃されても、創世王を同じところに放置する
  • 終始創世王を殺す目的なのに、最終的に何故か自分が創世王になった主人公(ちなみにヒロインは創世王になりかけても途中で自分の意思で放棄できた)

無駄な R18 描写

子供向け作品ではないことは重々承知しているが、特に必要ないのに暴力・喫煙・飲酒・下ネタのシーンを入れる意図が理解し難い。

喫煙は人物の哀愁や焦燥感、無力を漂わせる表現をするためである。しかし、この作品の喫煙シーンから何も感じない。 え?この人タバコ吸うの?ってキャラクター(心優しいクジラ怪人)にタバコを吸わせることで違和感しかない。

グロテスクの表現(頭吹き飛ばす、内臓を引きちぎる etc)しているが、そうすべき目的もなければ、グロテスクでもたらせる爽快感は一切ない。

あと、秋月信彦とビシュム(吉田羊)は親密度が 0 からいきなりのキスは唐突過ぎる。意味不明なキスするくらいなら濡れ場にすべし、どうせ R18 だから。

危険な政治(テロ)思想

これが一番救いようがないことは監督や脚本家の危険な政治思想である。

思想の共感を求めるなら、視聴者に問題定義してヒントを与えて、視聴者は自分で答えを見つけ出せるように導いてあげるのが筋である。

しかし、この監督は一番乱暴な方法をとった。話数が進むにつれて何度も何度も歪んだリベラル思想(ていうか共産主義)を繰り返し、視聴者の頭に無理矢理捩じ込もうと強行突破をした。

その最たる例は以下である。

ヒロインは正規な手段(投票、裁判、他国の人道支援に協力を仰ぐ)を全部すっ飛ばして、テロリスト集団を結成して政府と戦おうとする。しかも、子供に戦闘訓練・爆発物作成をさせる。もはや倫理観ゼロ。

そして、仮面ライダーブラックのシンボルマークをテロリストの旗印にして原作レイプ。 まさに鬼畜の所業。

監督は昔に共産主義の赤軍にでも所属経験があるのではないかと疑いたくなる。

目的が正しければ、どうな行動をしても良いのか? 良いはずがない。 暴力によって生み出した秩序は暴力でしか転覆できない無限地獄である。 民主主義の本質を理解していないし、理解しようともしていない。 自分たち主張が通らなかったら、ルールーを無視しても良い子供じみた発想しかない。

おそらく監督や脚本家には悪意はない。悪意がないゆえによりタチが悪い。

本人達は今後も反省もしないし、糞作品をどんどん生み出すのであろう。

その他

以下にて思いついたツッコミを随時追記する。

  • 作品の随所にハングル(韓国文字)があるのは何か意図を感じる
  • 物語の最後に移民反対のヘイトスピーチ集団
  • ゴルゴム党のネーミングセンスがダサい、そんな党は絶対に当選しない
  • 変身ポーズは正直いらない、シリアスな作品でいきなり変身ポーズは冷める
  • ビルゲニアの怪人姿はコスプレしているオッサンにしか見えない
  • ビルゲニアが拘束されて上裸になるが、わがままボディ過ぎる
  • ヒロインは最終話で変身ポーズとらせるなら、怪人じゃなくて仮面ライダーにしてほしい

まとめ

主人公を演じた西島秀俊はインタビューで「ギャラを全部返してもいいから、子供に見せれるように編集してほしい」とコメントしたが、R18 の表現を全て取り除いても、子供に見せたら悪影響しかない。

作品は R18 であるが、監督と脚本家の精神的未熟さはは R6 くらいが妥当と考えられる。

世の中の問題は複雑であり、決して仮面ライダーブラックサンで描いた白と黒、正義と悪のように単純に二極化できない。 ※ 監督と脚本家の頭の中はスカスカなので二極化できるかもしれない。

複雑な問題を自分が理解できる程度に簡略化するのではなく、問題を分解して問題の本質を見極めることが大事。

この世に二度と仮面ライダーブラックサンのような駄作が生まれないことを切に願う。

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