前書き
人より優れたい、常に成長し続けたい。多少まともな人間であれば誰しもがそれを願っている。そして、理想や目的を達成するには良い習慣を継続することは必要不可欠であることは言うまでもない。
だが、現実として大抵の人は大きな目標を掲げて三日坊主で挫折することが多い。新年早々ダイエットや禁煙を計画したのはいいが、三月くらいになると当初のやる気はとっくに失い、自分が何も変わっていないことに敗北感を覚える経験は一度はあるでしょう。
21日継続で習慣化は嘘
3週間(21日)続ければ、習慣は定着できると聞いたことある人は多いではないでしょうか。
果たして、それは本当か? 否、断じて否。
そもそも21日
の由来はどこか。それは外科医師のMaxwell Maltzが発表したものである。彼曰く、事故により手足を失った患者は障害の事実を受け入れ、日常生活に適用する期間は21日である。
鋭い読者ならすでに気づいていると思う。手足切断障害への適用と努力習慣の継続はそもそも定義が違う。
習慣形成に必要な時間に関する根拠ある文献として挙げられるのは2009年のEuropean Journal of Social Psychology の研究がある。被験者に毎日同じ条件下で活動をしてもらい、12週間を観察した。
結果として人間の習慣継続に必要な日数は習慣によってはまちまちだが、おおよそ18日~254日が必要であることが判明された。
つまり、平均的に66日は最低継続しないと意味ないと思ったほうがよい。
当然、習慣によっても必要日数が変わってくるのは言うまでもない。 難易度の低い「毎日水を500ml飲む」は21日で習慣定着できるかもしれないが、「毎日1000文字の文章を書く」は90日以上でも習慣定着することは困難でしょう。
脳の仕組み
我々の生活45%の行為は思考を介さず、無意識的に行われる。 一方、理性を司るのは前頭葉であり、賢い管理者と言える。
つまり、脳の一番の特徴は環境の変化が苦手で、現状維持が得意
である。
良い習慣を身につけるでも、悪い習慣をやめたいでも、脳は必ず拒否反応が起きる。 それ相応の褒美やペナルティを与えてあげないと脳は簡単に変わらない。
脳を変えるにはミニ習慣
そんな変化を拒む厄介な脳を変えるにはミニ習慣
である。
ミニ習慣とは簡単で小さなステップを継続的にこなすことである。
やることは簡単であればあるほど良い、むしろ簡単すぎて継続できない言い訳がないくらいがちょうどいい。例えば・・・
- 毎日腕立て伏せ1回
- 毎日50文字文章を書く
- 毎日2ページ読書する
- 毎日英単語1個覚える
人は新しいことや苦しいことを実行するには意志力は必要だが、ミニ習慣のタスク自体は簡単過ぎてほとんど意志力を消耗しないため、脳のエネルギー節約になる。
また、人間は一旦やりはじめるとノルマを超えるように行動するので、腕立て1回のつもりでも最終的に10回、20回と増えることは多々ある。
マラソンで一番苦しいのは平常時から心拍数を上げる最初の段階であって、ある程度走ると心拍数は安定して楽になる現象と同じ。
ミニ習慣の実践方法
そんな人生が良い影響をもたらすミニ習慣を継続するにはどうすれば良いのか、ここで3つの原則を述べさせていただく。
1. 報酬を用意する
人間の脳の行動原理は 幸福を獲得したい&苦痛を避けたい
に基づいているため、タスクをこなした後に何かしら報酬を与えた方が習慣として定着しやすい。習慣形成の初期段階は特に報酬は大切で、なぜなら最初は成果が見えにくいからです。
2. 継続できないなら難易度を下げる
例え簡単なタスクでも日によってモチベーションが起きず、遂行できないときはある。そんなときはタスクの難易度を更に下げ、意志力が最弱の状態でもこなせるレベルにすると良い。
- ジムに行く⇨ とりあえず、外に出る
- 英単語5個覚える ⇨ 英単語1個を見る
- 本を3ページ読む ⇨ 本を開く
- 瞑想5分 ⇨ 目をとして10秒深呼吸する
このように、タスクは簡単過ぎて馬鹿馬鹿しいくらいがちょうどいい。
3. ゴールを設けない
ミニ習慣に終わりはなく、一生続けるマインドを持った方がよい。 一旦ゴールや終わりを設けてしまった場合、それを達成するまで常に未達成(失敗)状態であるため精神衛生上的に芳しくない。月並みの言い方だが、結果より経過を重視したほうがうまくいく。
まとめ
ミニ習慣を継続して活用できるとセルフコントロール力が上がり、あなたの人生は必ず好転する。他人と比較せず自分のペースでコツコツ継続することで日々成長する自分に喜びを感じるはず。一度学ぶ習慣を身につけると、成長続ける人生を謳歌しましょう。